フェルマーの最終定理もどき
先日、あるフォロワーさんがこのようなツイートをしていました。
nが自然数だったら有名なフェルマーの最終定理ですが、nが自然数じゃなかったら普通に成り立ちそうですね。という訳で私が考えた解答が以下の通り。
n∈Cなら成立するな pic.twitter.com/lwnNoRRTmn
— Hibit (@hibit_at) 2018年12月21日
本当の問題はこれからで、ドヤ顔であげたはいいものの、上の解答には数字の間違いがあります。よくやるんだこういうミス……。元ツイートのリプ欄には補足を入れていますが、ではなくが正です。間違い正しついでに清書と解説を加えておきます。
清書
証拠
ホントかよ、と思う方へ。Wolframに実際に計算してもらいました。
解説
上の解答を見ただけで納得できる人となんのこっちゃという人との両方がいると思うので、解説を加えます。上のトリック(?)は実数を虚数乗すると三角関数になるという仕組みを利用したものです。理由なんて聞かないで。今夜はずっと側にいて。もしくはマクローリン展開でぐぐって。式にすると以下になります。
これを図示すると、下図のようなめかぶのバケモノみたいな曲面2種類(実部と虚部)、になりますが、の断面でスパッと切るとおなじみの三角関数になります。
しかも、この三角関数はどのような実数をかけても振幅が同じであるという特性があります。振幅が変わらない代わりに周期が変わります。
実数の虚数乗は実部と虚部とで単位円の座標になるので、単位円同士でが成り立つような組み合わせを見つければ上記のフェルマーもどきを満たす等式は見つかるという訳です。そのようなものには、例えばがあるので、それに対応した実数とを用意すれば出来上がりです。
ただ、だとを満たさないので、三角関数の周期はを足しても変わらない、という性質を利用してにしています。こうして見るとえらい強引だ……!
ちなみに、上の計算に「オイラーの等式」として有名な下の式が出てきますが、
要するに、回したら、単位円上のの位置になるよ、という幾何学的にはごく単純なことを述べているに過ぎないことがわかります。
冷静なつっこみ
その後、あーあーあ~さんから冷静なつっこみが入る。
これn∈Rで十分だと思う x,y,zを割と適当にとっても中間値の定理からnの存在が示せるのであとはn>3となるようにすればよい(例えば(x,y,z)=(4,4,5)など) さらにx=yとしておけば陽に解ける
— あーあーあ~ (@aaavrc) 2018年12月22日
……。
確かに、であり、またなので、のどこかで必ずであるようなは存在することになります。なお、これは容易に解けてとなります。
ええーい、誰だ誰だ複素数なら成り立つ(ドヤ とか言ってたやつは。
無駄に話を複雑にする男ってどこにでもいるよね~、という話でした。