hibitの技術系メモ

数学とか3Dとか翻訳とか

Blender触ったことないけど販売モデルを巨乳に改変したいという人へ

プロローグ

(遠慮がちに扉を開ける音)

―――おや、見ない顔だな。どうしてこんな辺鄙なところまで。

 なるほど、最近VRCを始めて、トラストも解除されて、アバターも買ったが、そのままだと味気ないから改変したい、と。ならgimpをDLしてテクスチャの色でも変えたらどうだ。何、それだけじゃ嫌だ? メッシュにも手を加えたい? おいおい、勘弁しろよ。ニ面図はおろか、イメージイラストも持たずに何を言ってやがる。まったく、オレはエスパーじゃ…

 ……! そういうことか。わかったぞ、お前さんのやりたいこと。

 アバターを巨乳に改変することでしか救われない魂がある。お前さんも”そう”だろ。目を見れば理解る。いいぜ、付き合ってやるぜ。

ボーンを拡大する

 こいつが一番手っ取り早い。胸ボーンが設定されていることが条件となるが、販売されているアバターならまあ大丈夫と考えて良いだろう。手順は簡単。Unityのボーンヒエラルキーにある胸ボーンを選んで

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 インスペクタにあるTransformからScaleを変えて、

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 これでOK。簡単だろう?

 ……納得してないって顔してるな。まあ無理もない。これはただボーンに対応している頂点を一律に拡大しているだけだからな。モデラーが想定しているサイズでの形をそのまま機会的に拡大すれば、拡大率が上げれば上がるほど不自然になっていくのは当然だ。ダイナミックボーンで揺らしても不自然になることが多いしな。

 これで満足できなけりゃ、いよいよBlenderの出番だ。その覚悟がお前さんにあるのかい……と言いたいところだが、その様子じゃ確認の必要はなさそうだな。

プロポーショナル編集

 いいか、お前さんが使う武器は1つだけだ。プロポーショナル編集、それがそいつの名前さ。だが、Blenderを触ったこともないお前さんのために、それに至るまでの道のりをイチから説明してやろうじゃねえか。まずBlenderを起動しろ。

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 無粋なキューブはXキー(またはdelキー)で削除だ。

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 改変したいモデルを「ファイル」→「インポート」→「FBX」。

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 かわいそうだが脱いでもらおうか。とは言っても非表示にするだけだ。上図のマークをクリックで余計なオブジェクトを非表示。

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 さすがに脱がせたあとの姿をソリッド表示する訳にはいかねえ。こんな場末でも一応パブリックなスペースだからな。こっから先はワイヤーフレーム表示+適宜隠蔽でいかせてもらうぜ(販売アバターワイヤーフレームを全部出すのも望ましくないしな)。上図のマークをクリックして「ワイヤーフレーム」だ。(Zキーでも切り替えられる。こっちの方が圧倒的に速いな)

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 次は「オブジェクトモード」を「編集モード」に。ショートカットキーはTabキー。Blenderで最も使うショートカットキーのひとつだろうな。

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 そしたらここのチェックもつけておけ。左右対称に編集するモードだ。アシンメトリーなソレが趣味なら敢えて勧めはしないが……普通は左右対称だろうな、お前さんが作りたいソレは。

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 選択モードは「頂点」に。ショートカットキーのCtrl + Tabキーでも切り替えられる。これも良く使うから覚えておいた方がいいだろう。

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 下準備もそろそろ終わりだ。5キーを押してから、1,3,7キーで視点を切り替えられる。モデルの無効にタテヨコのグリッドが見えたらOKだ。そうじゃなければもう一回5キーを押せ。視点は基本的にこの3種類で大丈夫だ。と言うか、この3種類しか使うなとさえ言っていい。変にナナメの視点で操作をするとバランスが崩れる。

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 ようやくここでプロポーショナル編集の出番だ。上図のマークをクリックして「有効化」にしろ。…っと、ひとつ大事なことを伝え忘れていた。

 Blenderのデフォルトでは選択が「右クリック」だ。まったく、なんでこんな意味不明な独特なUIにしたんだろうな。それで構わねえならそれでもいいが、変えたいなら「ファイル」→「ユーザー設定」の後に「入力」→「左」だな。

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 さて、気を取り直して好きな頂点を選んでからGキーで移動して、マウスのスクロールをグリグリすると……

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 マーベラス! ここまで来たらお前さんは、自分が”造る”力のカケラを手に入れたと実感しているはずだ。ゴールはすぐそこだ。頭の中にあるパッションを画面に叩きつけ続けていれば、いつしかイデアはそこに現れているはずだ。操作をミスった時はCtrl + Z、戻した操作をやっぱりやり直したい時はCtrl + Shift + Zだ。アンドゥ履歴は選択箇所も含めて記録されるから、お前の操作は必ず無駄にならない。焦る必要はない。幸運を祈ってるぜ。

エピローグ

―――おや、いらっしゃい。  ああ、私先週からここのマスターを任されました者です。お客さん、いいアバターですねえ。デカいし、その上破綻がない。揺れ方から察するし、返しボーンを入れておられますね。丁寧にウェイトを塗られたこともわかります。こだわりを感じますよ。それでご注文は……え、ああ、あの人ですか。

 言いづらいんですけど……あの人ね、BANされたんですよ。

 使っているアバターが露骨すぎてガイドラインに抵触しちゃいましてね。命あっての物種じゃないですけど、アカウントあってのVRCですから。お客さんもその、やり過ぎには気をつけてくださいね。ああ、すいません、本当は初対面のお客さんに言うことじゃないんだけど、お客さんはなんだか初めてって感じがしなくて……なんだか、あの人に似てるんですよ。なんでかな、お客さんは落ち着いた方だし、あの人とはむしろ正反対な感じなのに。でも何か、魂って言うのかな、それが似てるんですよ。

 ほら、アバターを巨乳に改変することでしか救われない人っているじゃないですか。あなたも”そう”でしょう。モデルを見ればわかりますよ。


・Live streaming, advertising or publicly sharing content that is sexually explicit in nature or simulates sex acts is not permitted. Doing so may result in moderation action being taken against your account up to (but not limited to) banning of the offending user account depending on the severity of the act in question.
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VRChat Community Guideline

(以下:筆者翻訳)
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・ポルノと裸は許されません。